サービサーとの交渉方法を解説

サービサーとの交渉方法を解説

サービサーとの交渉方法について解説します。債権回収会社(サービサー)は法律知識が豊富なので,サービサーから通知が来た際は,弁護士へ依頼することをお勧めします。弁護士にサービサーとの交渉を依頼する方法と,自力で交渉する際のポイントなどをご紹介します。

債権回収会社(サービサー)とは

サービサーとは,法務大臣の許可を受けて債権回収を行っている民間の会社です。金融機関からの借金や,クレジットカード払いの代金などを何度も滞納していると,サービサーが金融機関やカード会社に代わって催促をしてくることがあります。

サービサーは,金融機関などから債権の管理を委託されたり,格安で債権を譲り受けたりして,債権を回収する法律知識豊かなプロ集団です。法律によって非合法な取り立てを行うことができないよう厳しく管理をされているので,あくまで法律に則って取り立てを行ってきますが,裁判や差し押さえなどの法的手段にも躊躇なく出てきます。

近年では借金やクレジット債権だけではなく,業務委託と言う形で,奨学金や税金なども取り扱うようになってきています。

サービサーとの交渉のコツ

サービサーの交渉をうまくいかせるコツには,「時間をかけて交渉する」「一括払いでの和解を目指す」と言ったものがあります。サービサーとの交渉は弁護士に依頼するのが安心ですが,自力での解決を望まれる場合,以下のようなポイントに注意してください。

時間をかけて交渉する

他のビジネスと同様に,サービサーはできるだけ手間をかけずに短期間で債権を回収しようとします。サービサーの担当者にはノルマがあり,できるだけ短期に集中して売り上げを確保したがります。したがって,担当者に「これは手間がかかって面倒だな」「時間がかかるな」と思わせるだけでも,交渉のハードルが下がってくる場合もあります。

早い段階では強気の要求をしてくるサービサーも,交渉に時間や手間暇をかけるうちに,和解のハードルを下げてきます。「粘り勝ち」になりやすいので,じっくり腰を据え,強気に交渉をするという方法も一つの手です。

しかし,時間が経てば経つほど遅延損害金は増加し,借入の債務総額は増えますので,減額をしてもらえなかった場合には返済総額が増えてしまうということは念頭に置く必要があります。

一括払いでの和解を目指す

仮に,一括払いができる資金がある場合,サービサーとの交渉においては,支払うべき残債務の金額や,利息・遅延損害金の扱いについて,書面にてはっきりさせた上で,一括払いでの和解を目指したほうが良いでしょう。後々,トラブルにならないためにも,返済内容をよく確認し,和解書の取り交わしをする必要があります。

また,一括払いの場合は,それまでの状況によって,遅延損害金等の一部の債務のカットに応じてくれるかもしれません。

サービサーから連絡が来たら早めに弁護士に相談を

サービサーからの通知を受け取ったら,なるべく早めに弁護士に相談して方針を決めるのが望ましいです。

借金の時効を狙って,サービサーからの取り立てを無視し続ければよいのではないかと考える人もいますが,サービサーからの催促を無視すると,裁判を起こされたり,財産や給与の差し押さえを受けたりすることがあります。サービサーは法律知識が豊富なので,「払わなければ法的手段に出る」という文句はただの脅しではなく,実際に行動に移してくるケースも多いです。

給与の差し押さえは,個人再生や自己破産と言った債務整理手続により止めることができますが,裁判所を通した手間のかかる手続となり,社会的影響も大きくなります。早めに弁護士に相談すれば,任意整理といり社会的影響がより軽微な手続きで問題を解決することができる可能性があります。

サービサーとの交渉を弁護士に依頼する方法

弁護士と一口に言っても,分野に得意・不得意がありますので,任意整理などの債務整理に実績がある法律事務所に相談されることをお勧めします。近年では,債務整理は相談料無料で対応している法律事務所が多くなっています。

債務整理とは,簡単に言うと法律的な借金問題の解決方法で,任意整理,個人再生,自己破産などの手続きがあります。サービサーと弁護士が交渉して返済方法の取り決めをする手続きは,「任意整理」に当たります。

任意整理を弁護士に依頼すると,弁護士は債権者に対して受任通知を発します。受任通知を受け取った債権者は,以後,債務者に対して直接の連絡や取り立てができなくなります。法律と交渉のプロであるサービサーと直接やりとりしなくて済むだけで,精神的な負担がだいぶ軽くなることでしょう。

任意整理のデメリットとして,信用情報がブラックリスト入りし,最長で完済後5年間は新たな借り入れやクレジットカードの利用ができなくなります。しかし,通常,債権が金融機関などからサービサーに渡った場合には,既に一定期間の滞納があるケースといえますので,信用情報はブラックリストに入っていると考え,サービサーとの交渉を弁護士に頼む際,新たなデメリットは生じないことが多いでしょう。

債権がサービサーに渡った場合,弁護士に依頼するデメリットは少なく,メリットのほうが大きいので,弁護士への相談を強くお勧めします。